ホワイトバレンタイン
レジ
本屋バイトの初日。終日、ひたすらレジ打ち。前の職場がガテン系だったせいなのか、来る人来る人、超上品に思えてしまう。笑顔で接客すると、笑顔を返してくれるし。「ありがとう」と目を見て言ってくれるし。こっちが慣れずにもたもたしてても、謝罪すれば温かい目で待っていてくれるし。もちろん全ての人が、という訳でもないし、お客さんの優しさに甘んじてちゃいけないんだけど。あーとにかく、楽しかったな。
長崎旅行記その1~ハウステンボス編~
長崎に行ってきました。
昨年末、とにかくどこかに旅行へ行きたい! と思い立ち・・・というか、その直前に行ったハワイ旅行が楽しくて、勢いで、という方が正しいのですが、以前からハウステンボスに興味があったので、特に他の観光地と迷うこともなく長崎のプランをHISで予約しました。
2月7日、早朝に家を出て、自家用車で羽田へ。
長崎は雨。粒が細かいのか、まるで霧がおりているような視界不良っぷりです。
空港内のところどころではランタンフェスティバルの飾り付けが出迎えてくれました。
残念な私、滞在期間中に催されることを把握してませんでした。
あんなにるるぶガン見してたのにね……。
すぐに予約していた空港そばのレンタカー屋さんへ向かい、パッソを借りていざハウステンボスへ。
入国(入場のことをこういうらしい)しても、雨があがる気配はありません。
雨が降ってて冷たいし、いい時間になっていたので昼食を摂ることに。
色んなガイドブックで美味しいと紹介されていた「ピノキオ」というイタリアンへ。
普段は行列必至らしいですが、平日でその上、雨ということもあって、まったく並ばずすんなりと入れました。
メニューで薦められていたオリジナルピザにアマトリチャーナ、それにワインを注文。
ピザは確かに美味しい。そして真昼間からお酒という状況が幸せ過ぎます。
お店を出たあとはアトラクションへ。
洪水体感の施設、愛・地球博への出展映像、エッシャー(画家)をモチーフにした物語風の映像、などなど。
全部完全に屋内だったのは、雨模様だったから特に有難かったな。
一番面白かったのは「闇の王国」という、いわゆる脱出アトラクション。
10人がひとつのグループになってアトラクションはスタート。
最初は隊長(施設の係員さん)が引率してくれるんだけど、途中から理由をつけていなくなっちゃう。
そこからは暗闇の中、参加者、つまりお客さんだけで施設を脱出しなければならなくなって、これが個人ではなかなか上手くいかないから、一致団結するしかなくなる。
初めて出会った人たち同士なのに、一生懸命点呼をとりあったり、手を繋いだりして、出口を目指しました。
まあ途中で隊長が助けに来てくれるのですが。
自発的にやらざるを得なかった団体行動、最後はなんとも清々しい気持ちになってしまいました。
アトラクションの他にもカステラ屋さんなどを冷やかし(大試食会やってました。ふとっぱら・・・)
カステラの城。なんだか妙にシュールな佇まい。
おやつにココアを飲んだり、露天で似顔絵を描いてもらったりしてから、一旦ホテルへ。
取ったのは、ホテルアムステルダムという場内ホテル。
ハウステンボスの街中に建っていて、とても便が良かったです。
お部屋も広々としてました。
一休みして、再びハウステンボスの町へ。
だんだん勢いが無くなっていた雨もこの時はもうあがってました。
ハウステンボスといえばアトラクションよりも夜のイルミネーションということだったので、かなり楽しみにしていました。
夜のパレード。めっちゃ近くから見えました。
箱型自転車で一般の人も参加していて、一生懸命ペダルを踏んでて思わず応援の意味を込めて手を振っちゃいます。
キャストもフレンドリーでみんなカメラ目線をくれるし、なんだかアットホームな印象を受けました。
まあ比較してるのが、浦安の某巨大テーマパークだからかもしれませんが・・・。
イルミネーションが一番すごかったのはメインガーデン。
ギラッギラでした。
お城に3D映像を映し出すショー、というのかな。
このお城が、ドラゴンに襲われるというストーリーでした。
なかなか見応えがありました。
さて夕食、ということになり、川沿いのカフェで佐世保バーガーをいただくことにしました。
佐世保バーガの特徴のひとつは、卵が入ってることなのかしら。
ベーコンははみ出してるけど、小振りで食べやすかったです。
まあ、特に印象に残るような美味しさではなかったけれど。
二十時ごろにホテルに戻り、1Fにあるワインバーでまったり。
夕方から雨があがってくれたのが実にありがたかったなー。
いい気分で眠りに就きました。
雪が車に残ってる
グリーン家殺人事件 ヴァン・ダイン
翻訳物は苦手。特にこの作品は読みにくくて、最初の三分の一を読むのにだいぶ時間を使った。まわりくどい言い回しばかりだし、薀蓄がやたら多い。ただ、乗ってくるとそこがいいと思えてきた。むしろミステリとしてより、その幻惑的な雰囲気が魅力的だった、というのが最終的な感想。
晴れのち雨
「しあわせの書迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術」泡坂妻夫
少し前の朝日新聞に紹介されていて手に取った。と、一口で言っても入手するまでに一ヶ月以上を経ている。普段立ち寄る書店に置いてないのだ。かと言って、ネットで注文する気にもならない。だって何だか、楽しめるかどうか微妙な感じだったから。
朝日の書評から受けた印象は、「いわゆる亜流ミステリなんだろうなあ」。フェアとアンフェアの境界線にいるような。つまり場合によっては「なんじゃこりゃー!ダメだろ!」と本を壁に叩きつける可能性もありそう。
という訳で、この本に対する、過度な期待は避けたかった。ふっと出会って、じゃあ買いますか、という姿勢で臨みたかった。結局、滅多に行かないショッピングモール内にある書店をぶらぶらしている時に偶然見つけた。文庫コーナーの平台にあった。
で、読んでみる。ちょっと怪しげな占い師風情の主人公たちが、とある新興宗教団体の怪奇現象に興味を持つところから物語は始まる。死んだ筈の有名人が、偶然出会った人の家族が、生きた姿を目撃されているという。彼らは件の宗教団体に所属しており、調べを進めると、団体内では教祖の後継者指名が実施されようとしていた。
……うーん、新興宗教絡みのミステリってよくあるし目新しくもないなー。この主人公たちがそもそも胡散臭いから、ここになんか罠がある?てか、書かれた時代が古いから(ほぼ四半世紀前)、そこが既に違和感なんだよなあ。携帯電話のけの字も出てこないし。
と、いうのが半分くらい読んだときの感想。
ふと奥付を見てみると、わ!24版! こりゃあすごいわー、やっぱ絶対なんかあるんだこの本と思い直し、さらに読み進めてみる。
なるほど。ほうほう。トリックはそれか。そしてアノヒトが黒幕。
ふーん、確かに面白かったけど、でも、普通のミステリだったなー。うん。
うん?え?え!?
わーーーーー。すごっ。
全貌が分かった時、実際に感嘆の声を出してしまったと思う。話題になるのが納得の読後感だった。作者の「読者をあっと言わせよう」という気概がめいっぱい感じられる、素敵な一冊だった。出会えないままにならずに良かった。